身体表現性障害は多くの症状と認知しにくい│細かな症状

治療に大事なもの

3人の男性

治療に大切なもの

身体表現性障害は、長期間に渡って起こる心の病気です。痛みや痺れを訴えるということは「心を癒やされたい」という心の訴えとも言えます。ですから、治療に当たっても精神的に配慮した治療法をしていく必要があります。そもそも、身体表現性障害には、痛みや痺れの原因となる身体的異常は見当たりません。しかし、その事実を初めに患者にぶつけることはかえって逆効果となります。まずは何より、家族は患者の訴えを否定せず受け止めることからスタートすることが重要です。その上で患者の生活する家庭や職場はどんな環境なのか、患者はどんな性格でどんな感情の傾向があるのか、過去にストレスとなる大きな出来事がなかったかなど、痛みが生じるようになった現在までのプロセスを詳しく聞いて、何が要因となっているかを探っていくことが、家族も医師と一緒に治療を行なっていきましょう。

大人と子供の違い

ところで、身体表現性障害は成人期初期(30歳前)にかけて起こると言われていますが、30歳前と言って一括りにして治療に当たるのは適切とは言えません。なぜなら、大人と子供では経験値や物事の捉え方、ストレスの感じ方、結果障害として現れる症状が同じではないからです。例えば、大人の場合は職場での人間関係、仕事の適正、オーバーワークなど社会的なストレスが原因と成り得ますが、子供にはそのような環境はありません。子供の場合考えられるのは、学校における人間関係や親との関係、親子の愛情の有無、コミュニケーションの有無などです。最近は小・中学生の身体表現性障害患者も増えているといいます。心理的ストレスの原因が大人と子供で違う以上、それを念頭に、治療の方法も大人と子供で変えていくことが大切です。

精神的な治療

身体表現性障害は痛みや痺れという症状を伴うので、薬を用いて症状の改善を図るという方法もあります。身体的な異常はないため、医療機関では薬としては抗うつ薬や抗不安薬などを使用することになります。しかし、場合によっては薬を飲めば良くなる、飲まなければ良くならないと薬に頼る量が増えていく可能性があるので、薬物による治療法には注意が必要です。身体表現性障害は心の病気ですから、治療に当たってはやはり精神的な治療法が一番と言えます。治療に大切なものは患者の訴えを否定せず受け止めることと述べましたが、それには患者と治療に当たる側相互の信頼関係を築くことが重要になってきます。患者が治療に対して第一に求めることは、痛みや痺れの解消ですが、症状を消すことよりもまず「症状に対応出来るようになること」を第一の目標に置くようにすることが大事です。それが次第に出来てくるようになったら、症状が起きる背景には様々なストレスが関係している可能性がある、ということを、徐々に患者が認識するようになってくるでしょう。身体表現性障害の治療はすぐには出来ません。家族や医師が患者の心を受け止め、信頼関係を築き、ゆっくりと心のストレスに対応出来るようになるまで、継続的に時間をかけて治療を行う必要があります。